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”タッチケア” 三昧

8月4日は、大阪公会堂で、インターナショナルワークショップフェスティバル300doorsのイベントで、NPO法人タッチケア支援センターとしてエントリーし、「自分を癒してやさしくふれる、ヒーリングとしてのタッチケア」という1時間半ほどのミニワークショップをおこなってきました。

また、昨日8月6日は、amana space で、「こころにやさしいタッチケア1日体験入門講座」という約3時間の講座を開きました。

NPO法人タッチケア支援センターの教育事業として、ゆったりとスタートが切れた感じです。



今日の私の個人セッションも、めずらしく、ESSENCE OF TOUCH、すなわち、着衣のままでのエサレンボディワークのセッションでした。(通常、私はあまりお客様のことはブログに書かないようにしていますのが、タッチケアの可能性を考える上で重要なテーマなので、個人が限定されることがないように気を付けて、記述させていただきたいと思います))
お客様は、軽い統合失調症の方でした。軽いというのは、なんとかお薬を飲みながら、仕事ができるぐらいの症状である・・・ということです。(実際、その方はその症状そのものよりも、周囲の無理解と偏見のほうに悩まされておられるようでした)  私は、統合失調症の方には、エサレンボディワーク等のオイルマッサージはあまり勧めていません。今まで何度か施術させていただいたことはありますが、あまりいい結果は出ませんでした。(鬱やパニック障害等の方には改善例はあるのですが・・・) 
それよりも、本当に、穏やかに、やさしく、安全安心を感じていただく、着衣のままでのタッチケアをお勧めしています。(もちろん、その方が受けることを望めば・・・ということですが。これは、必須の大前提です) amana space では、それが、エッセンスオブタッチという施術です。

こういう場合、施術は、心地よさを提供するということ以上に、「ふれられることそのもの」を、受け入れてもらえるようにファシリテートすることに、フォーカスされます。そのためには、安全・安心で、心地よいのだということを、体験的に積み重ねていく必要があります。これは、簡単そうで、なかなか、根気のいる施術法なんです。こういう場合、「こうすると気持ちがいいから」という思い込みはまったく無力です。謙虚に、相手の方の身体とコミュニケートしながら、ただひたすら、「安全」であることをすべての五感を通じて伝えていく作業を積み重ねます。(すなわち、これが、心にやさしいタッチケアだといえるでしょう)
今日で二度目でしたが、初回施術の際の緊張感はほどけ、体験的に受容していいのだと身体が緩まっておらられました。リラックスしても、オープンになっても大丈夫なんだと、認知していくこと。安らぎの体験を積み重ねていくこと。このことは、きわめて、重要な体験だと思います。その土台ができて始めて、その方が身体との、そして自分自身とのつながりを回復する道筋が見えてくるのでしょう。今後も経過を見守っていきたいと思います。

こうした施術において、フォーカスする重要なポイントは3つです。
(このことは、自分自身に対しても、受け手に対しても、両方に必要なことです)

① リラクセーション (安心・安全・安らぎ・心地よさ等を提供することで、心身が緩まること)

② 統合 (身体全身のつながり  あるいは、心と身体のつながりを、促すこと)

③ 気づきを促す (自分の身体の感覚、心の動きに、気づいてもらうように促すこと)



①において、もっとも重要なことは、非侵襲的アプローチと、タッチの質です。
相手の方の五感すべてにおいて、これから起こることが危険ではないこと、侵襲的ではないことを非言語的に伝えていきます。そして、タッチの質感を通じて、そのタッチが自分にとって異物や危険なものではなく、自分自身をささえ、穏やかにしてくれるものであり、そして、つながりを見出すものであることを、伝えていきます。

私は、こうしたタッチによるアプローチの大半をエサレンボディワークやその他の施術法から学びましたが、特に、下記の先達からは、大変重要なことを、体験的に学ばせていただきました。下記、私の尊敬する、4名のタッチワーカー(という言葉はあまりありませんが)です。

一人目  ブリータ・オストロム
日本にエサレン®ボディワークを伝えた第一人者の一人であり、エサレン研究所でエサレンボディワーク草創期からの発達に関わってきた私の最初の師匠です。ふれるものと、ふれられるものの関係性、その心理、距離、そして、非侵襲的アプローチとはなんであるか等・・・。オイルマッサージを通じての形ではありましたが、すべての基礎は、彼女から学ばせていただいたと思います。ふれるーふれられることの諸相について、深い体験を積み重ねてこられた方です。


二人目  シャー・ピアス
エサレン®ボディワークに、レイキを取り入れて、精妙でおだやかなアプローチ法という独自のスタイルを確立している、私の尊敬するエサレンボディワーカーであり、ティーチャーです。
エサレン研究所に初めて訪れた1999年、名前すら知らなかったシャーの施術を受け、感動しました。以来、ずっと学び続けています。おそらく、シャーの施術を受けなければ、私はここまでエサレンボディワークを長く続けなかったでしょう。後に、彼女がレイキ・マスターであることを知り、はっとしたのを覚えています。



2人目  マリア・ルシア
エサレン研究所で、スピリチュアル・マッサージを伝えるブラジル人ヒーラーです。同じく、1999年、初めてエサレンに訪れた時に、マリアのワークを受けました。彼女の施術法は着衣のままです。エネルギーを扱うスピリチュアルヒーリングですが、私は、特筆すべきは、彼女の人にふれる際のタッチの質感にあるとも、感じています。後に、マリアとシャーが、親友同士だと後で知りました。

4人目  マリオン・ローゼン
サンフランシスコ郊外、バークレー発祥の、米国と北欧で人気のある施術法、ローゼン・メソッドの創始者。この伝説のボディワーカーの施術を昨年2010年、奇跡的に受けることができました。マリオンさんは、96才。まるで湖面のさざ波のように繊細で気づきあふれるタッチの質感はまるでマイクロ波のよう・・・。心の深部に響いていました。ちなみに彼女の著書の名前は「タッチを通じての無意識へのアクセス」です。


その他にも、あと数名、私にとっての、タッチ・マスター達のお顔が思い浮かべることができます。

振り返れば、偉大な先達のタッチを体験してきたものだと思います。
どのように触れてもらいたいのか?ということを、自分自身の感覚で探求していくのは、とても大切な作業だといえるでしょう。

8月4日から7日の今日まで。。。
タッチケア三昧な日々でした。
そして、この三人の偉大なタッチ・マスターたちのことを、思い出しておりました。

今後、「ころにやさしいタッチケア」のメソッドを、もう少し明確にしていきたいと思います。
by reiko-koyago | 2011-08-07 23:11

エサレン®ボディワーカーでNPO法人タッチケア支援センター代表理事の中川れい子(旧こやごれーこ)の個人ブログです。2003年から、エサレンやソマティクス、ボディワークや癒し、聖地巡礼、社会問題の徒然を気ままに綴り続けています。Soumyaは”月の女神”をあらわす私のホーリーネイム。


by reiko-koyago