アンマとマリオンと私とエサレン
2010年 06月 30日
たった一週間だけど、ミラクルの凝縮した旅で、まるで、飛行機のビデオで観た、Alice in wonderland のような感覚がいまも残っています。
5年前に、バリの産院で、アンマの御写真のかたわらで、ぴかっと光りが瞬いたとき以来の、奇跡の感覚がよみがえりました。またまた、アンマにやられてしまったみたいです。。。
以下、その物語です。
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人生において、この方にはいつか会いたい、いや、会わなければならないと感じることって、あまりおおくはないと思います。
私にとって、マリオン・ローゼンという96歳の女性は、その中の貴重な存在の一人。。。
この旅の間、サンフランシスコ近郊バークレーの街に住む、ローゼンメソッドの創始者であるこの偉大なボディワーカー、奇跡的に出会うことができ、そして、セッションを受けさせていただくことができたのです。
マリオンさんは、96歳。元理学療法士のボディワーカーで、全世界に14カ国の彼女のセンターがあります。
ローゼンメソッドは、からだの痛みはこころの痛みであることを背景に、繊細で気づきあるタッチの質とともにアプローチするボディワーク。
エサレンととても似た、そしてエサレン以上により繊細で気づきあるワークではないかとここ数年憧れておりました。昨年、日本で唯一人のローゼンメソッドの認定プラクティショナーである東京在住の久保隆司さんを二度御招きして、セミナーを開かせていただいたのもそのためでした。
その後も、私の、その創始者に会いたい、創始者のタッチを直接うけたいという願いは、じょじょに高まっていったのでありましたがその願いは、どこか儚い希望のようなものにすぎませんでした・・・。
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さて、今年の6月の初旬。
主人の息子のジョナの高校の卒業式が6月5日にあるので、それにあわせて、サンフランシスコ往復のエアチケットは5月31日から6月7日までで購入していました。主人は、サンフランシスコに入る前にカナダで仕事があったので、主人のカナダ出発の日にあわせたのです。
アンマのイーストベイにある、サンラモンのアシュラム(MAセンター)でのプログラムが6月3日からだとわかったのは、それからのこと・・・。アンマのワールドツアーが、今年はアメリカが先になったので、うまくタイミングがあいました。
アシュラムに行く前に、バークレーのローゼンセンターに行けたらいいなぁと思い、だめもとで、久保さんに教えていただいた、マリオンさんのお世話をされてるIsotさん宛てにメールしました。6月1日にマリオンさんのセッションを受けれないかと聞いてみたのですが、残念ながら、この期間は無理ということでした。
それがわかったのが渡米の直前だったので、今回は他のローゼンのプラクティショナーの方にコンタクトをとるのもあきらめて、直接サンラモンへ行くことにしました。6月1、2日は、アンマのプログラム開催前のサンラモンのMAセンターで、のんびりしたり、お手伝いしたりしながら過ごしていました。
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さて、アンマのプログラムの初日の6月3日がやってきました。
サンフランシスコのイーストベイエリアである、サンラモンの街の郊外にある、アンマのアシュラム、MAセンターは、自然豊かな広い敷地内にあるコミュニティで、とても静かで平和なところです。おおきな池に、二羽の白鳥が仲良く過ごしています。
そこに、木造のアンマのダルシャン会場となるテンプル(寺院)があります。日本のような貸し会場でおこなうようなダルシャンとは一味もふた味も違う、実に平和でおだやかなダルシャン会場でした。
そこで参加者に配られるプログラムガイドは、アンマの活動を支持する人が広告を出すことでその掲載料をアンマの支援につかってもらうためにあるもの。。。私も、去年今年と日本版に出させていただいてます。
アメリカ版は、日本の10倍もある分厚さで、たくさんの広告が載ってました。
それをぱらぱらとめくっていたら、ふと、マリオンローゼンさんの写真入りの、ローゼンメソッドの大きな広告が目に飛び込んでくるじゃないですか! もちろん、はっとしました。
。なんでも、8月末に、MAセンターで、マリオンさん自身による、ローゼンメソッドのワークショップがここにあるということでした。
そのあと、もうひとつ驚いたことが。
アンマのダルシャンを受けようと、アンマのすぐそばに座っていたら、そこに、わたしに初めてアンマのことを伝えてくれた、エサレンのクラスメート、ロバートと、5年ぶりに再会したのです!じつは、あれからメールアドレスがわからなくなり、ずっと音信不通だったのです。
再会という恩寵もまた、アンマからのギフトです。
感謝の中で、わたしはアンマからのダルシャンを受けました。
その直後のこと。
今度は日本では御馴染の、アメリカ人出家僧のシャンタジさんとばったり会場で会いました。日本語の堪能なシャンタジさんは、普段は日本におられますが、本来はサンフランシスコのベイエリアご出身のアメリカ人ですので、もちろんカリフォルニアツアーには同行されています。その方にプログラム会場で再会しました。
プログラムガイドの広告をシャンタジさんにお見せしながら、実は、私はこのマリオン・ローゼンという方のセッションがとても受けたかったのですよ。。。と、お伝えしたんです。シャンタジさんは、じーっとその広告のマリオンさんの顔写真を眺めておられたんですが・・・。
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それからお昼が過ぎたあと、食堂にいた私に前日のボランティア活動で友達になったケニア人の女の子が、私のところに息を切らせて走ってきて、シャンタジさんから急いでアンマのダルシャン会場にくるように、よばれました。
なんと、さっきまで、マリオンローゼンさんが、娘さんと一緒に、ここにいらしてたというのです!
お二人は、アンマに質問があったそうで、それで、シャンタジさんが、その通訳を頼まれたそうです。(シャンタジさんは、英語と南インドの言葉と、日本語を話されます)
マリオンさんの娘さんが、ずっと以前からアンマの支持者(ディボーティ)で、このMAセンターに暮らしていたこともあったそうなんです。
私は3日の夕がたには、北フランシスコにいる主人の息子のいる町に移動しないといけませんでした。だから、3日の昼すぎまでしか、そこにいれなかったのですが、なんと同じ日の同じ時間帯に、マリオンさんがそこにおられたのです。
そのとき、シャンタジさんが、日本人の女性が、マリオンローゼンさんのセッションを受けたがってるとお二人に伝えてくれていました。
それなら、この日とこの日ならあいてるので、セッションをしてもいいという話になって・・・。
その後、電話で直接連絡をとりあって、結局、6月6日午前11時、サンフランシスコ滞在の最後の日に、バークレーのマリオンさんの自宅に行って、セッションを受けれるこになったのです!
もうそのときには、主人とも合流していたので、主人がマリオンさんの教えてくれた住所をパソコンで調べて、車でマリオンさんの自宅まで送ってくれました。私ひとりだったら、たどりつけなかったでしょう。丘の上の、緑に囲まれたかわいらしいおうちでした。
家に行って、マリオンさんに会うと、これまたびっくり・・・。
胸にはアンマのお写真のペンダントをつけておられるし、家中のいたるところに、アンマのお写真が飾られてるではないですか。
マリオンさんご自身も、アンマの大ファンでらっしゃるみたいなんです。
着いてすぐ、セッションルームへ・・・。あれは、たぶん、マリオンさんのベッドルームだと思うのですが、片隅に古いマッサージテーブルが置いてありました。そこでセッションを受けました。
(ベッドのそばにも、アンマの写真が数枚飾られていました)
96歳とは思えない、繊細で、しっかりとしたタッチで・・・。
まるで、湖面のさざ波のように、感情体にはたらきかけると同時に、肉体的にもバランスをとっていくのがわかりました。
数か所、彼女は私の体の固い場所を見つけて、statement (言葉がけ)を伝えてくれました。非常に、ピンポイントなメッセージでした。
彼女のタッチの質感に対して、私の身体はすばやくに反応していたようで、60分間、みっちり、彼女の手と対話しながら、ローゼンメソッドの意図するものがよく感じ取れました。
肉体・感情・思考・霊性の中で、とくに感情により強くフォーカスされていると思いました。
一度ローゼンメソッドをうけると、エサレンのタッチが荒っぽく感じるという話を聞いたことがありますが、なるほどと思います。
この無理強いしない繊細なアプローチは、恐怖やかたくなさを内側にもつクライアントにとって、とくに大切なことで、これはたしかに、トラウマ的な問題に対応できるワークだと思います。
アメリカ以上に、ヨーロッパで広まっているのもうなづけました。(しかし、これをどうやって、人に教えるのか?そこが、また興味深いんですが^^)
マリオンさんご自身が、ドイツ生まれのユダヤ人であるという歴史的な背景にも関係するようにも想像します。(彼女は1940年代、ナチスドイツの迫害を逃れるためにアメリカに移住したのでした。その最後にたどりついたところが、サンフランシスコ郊外のバークレーだったのです)
紛争後のボスニアでも教えにいったという話も、あとで伺いました。
虐待やトラウマの問題に、ボディワーク的なアプローチでどのようにかかわるのか、フォーカスされているのでしょう。
また、それはある意味、アンマの意図とも通じ合います。
悟りを開いた聖者であるアンマが最大にフォーカスしていることは、人々の精神的・肉体的な苦痛を少しでも軽減するということです。
マリオンローゼンが、ローゼンメソッドを世界に広げる旅の途中で、どこかでアンマと出会い、彼女のミッションを遂行するプロセスの中、アンマのエナジー的なサポートを受けとったのではないかしら?と、勝手な想像をしたりしておりました。アンマは、もちろん、偉大なヒーラーです。そして、マリオンさんもまた、ボディワーカーであり、そして、偉大なヒーラーなのです。
セッションのあと、マリオンさんが、私に、「それで、あなたはどこでアンマと出会ったの?」って面白そうに、私に尋ねておられましたよ^^。
アンマは、もちろん、すべてをお見通しの方ですが、マリオンさんも、そんなアンマのようなところのある方でした。
それと、マリオンさんは、自宅で通常、セッションをしないからということで、今回、セッションフィーを受け取ってはくださいませんでした。
結局、私は、マリオンさんの自宅の寝室で、無料でセッションをしてもらったのです。
こんなことがあるでしょうか???
恐れ多いやら、なんやらなんですが、でも、ある意味、私が受け取ったものは、御金ではかえようのないものです。
思えば、アンマのダルシャン(抱擁)も無料です。
無料ということの、果てしなく深い価値に、私は、あらためて衝撃を受けました。
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私は、昔、はじめて、ローゼンメソッドと、マリオンローゼンさんのことを聞いたときから、あ、この人には会わなければいけないって、直観しました。
いま、こうやって、不思議な導きでお会いしてから、あらためて、ほんとうに、私はこの人に会って、直接、彼女のタッチを受けなければいけなかったんだと、実感します。
マリオンさんが、アンマの大ファンで、そして、アンマのダルシャン会場で、シャンタジさんがふっと私のことを伝えてくださらなかったら、このようなボディワークの大家の方と出会い、直接セッションを受けれるということは、なかったでしょう。いえ、これはもう、すべて、アンマが私のために仕組まれたプログラムのように思えてなりません。。。アンマは、ひとりひとりにあった処方箋を用意されているのです。私の場合は、これだったのです。まさに、わたしへのテーマは“触れること”そして、“ボディワークだったのです・・・。
というのは、5月のアンマ来日が延期になったことで、5月のエサレンのペリーホロモンのディープボディワークのワークショップに参加したり、また、最初の恩師であるブリータオストロムが来日し、ゆっくり話ができたり、セッションを受けたりと、、、ひさしぶりに、エサレンボディワークについてじっくりと取り組む時間が訪れていました。
そのプロセスの中でのマリオンローゼンとの出会い・・・。
私の中で、エサレンとは何か? ボディワークとは何か? ヒーリングとは何か?という問いかけに対する答えが、より深まっていきました。
(エサレンとローゼンメソッドがなぜ似ているかというと、エサレン研究所に多大な影響をあたえた、センサリーアウエアネスの創始者である、シャルロットせルバーと、マリオンローゼンは、同じドイツ人体操教師、ギンドラーから学んでいるという背景があります。気づき(awareness )と「今、ここ」(presence)という大きな共通テーマが両者にはあります)
私のワークは、これから変わっていくのでしょう・・・。
いままで、はっきり定まらなかったタッチの意図のかじ取りが見えてきそうな気がします。
また、自分が、このワークを通して、何を働きかけていくのかも、自分の中でフォーカスされていくと思います。
マリオンローゼンさんとの出会いは、アンマからいただいた、大切な恩寵だと思えてなりません。
この素晴らしいテーマに、さらに、取り組んでいきたいと思います。
マリオンさんの年齢に達するまで、約半世紀・・・。
わたしの人生の後半の旅が、これからはじまっていくのでしょう。
果てしなく長い道のりが、光に照らされて浮かび上がりました。
写真は、セッション後のマリオンローゼンさんと私。
(まだまだ、あおい私です^^)
本は、マリオンローゼンさんの英語の著書、ACCESSING THE UNCONSCIOUS THROUGH TOUCH