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雪の丹後半島ー女神の王国(後編)ー 久美浜湾の甲山 

 小さい時から歴史が好きでした。
 中学生のころには、今風に言うと、いわゆる『歴女』
 趣味がこうじて、気が付いたら、塾や予備校で日本史を教えていました。
 予習は大変でしたが、その時代のエネルギーや物語の中に没頭する時間は楽しいひと時です。
 翌日、授業で、「まるで見てきたかのように」語ると、生徒がよく聞いてくれます。
 興味をもってくれると、自然と自学自習するようになり、結果、入試にもよく受かってくれました。
 あの頃は早く受験勉強の指導から解放されたい思いでいっぱいでしたが、今、思い返すと、微笑ましい思い出が蘇ります。

 ・・・・日本史の仕事から離れて10年。今は、まったく趣味の世界です。
 入試には全然でない、日本の神話や伝説にイメージを膨らませるのがとても楽しく、日本国内の旅にでると、いろんなメッセージや遺跡や神社仏閣、伝承にインスピレーションが震えます。
 そんな『右脳的歴女』な、私です^^。

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 と、前置きが長くなりました
(以上、ボディワーカーの私が、なぜ、こういうテーマが好きなのかの理由です^^)

 雪の丹後半島―女神の王国ーの後編です。

 丹後半島の女神といえば、伊勢外宮に祭られる『豊受大神様』であることは、前回お伝えしました。
 一般的に伝わる伝承は、最後に伊勢の地に辿りつかれた天照大神が、「自分一人では食事が安らかにできないので、丹波国の比沼真奈井(ひぬまのまない)にいる御饌の神、等由気大神(とようけのおおかみ)を近くに呼び寄せなさい」と託宣をしたことから、丹波から伊勢の外宮へと祭られた女神さまです。衣食住をつかさどる女神ということで、ちょっと、おっかさん的な女神さまでもあります。

 丹後半島には、前篇でお伝えした真名井御前の他に、聖徳太子の母君である間人皇后(はしうどのきさき)、源義経の恋人で絶世の美女の白拍子の静御前、戦国時代の細川ガラシャ等、歴史上の女性と縁深い土地で、また、羽衣伝説や、乙姫伝説も多くあるところです。

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 また、今回、地元に行ってみてわかったことがもう一つあります。

 天照大神の御霊をまつる場所が、今の伊勢の地に落ち着くまでに、いろんな地に変遷されました。それを、元伊勢といいますが、丹後もその重要な元伊勢の地のひとつ。元伊勢を辿るプロセスは、大和朝廷が、天照大神という中心神のもとに、それ以前の日本の古き、各地の女神の力を融合していくことで、さらに霊的な力を深めていくプロセスだったのでしょう。(それが、女神であるところが、日本の神話の面白いところですが)

 その場所を託宣を受けて祭るのが斎宮とよばれる未婚の皇女で、巫女でもありました。最初、豊鍬入姫がその役につきましたが、その後、倭姫(やまとひめ)へと移ります。最終的に伊勢の地に天照大神が落ち着かれるように導いたのは、この倭姫です。

 その、倭姫のお母さんが、丹後半島の豪族の娘であったそうなのです!
 この時期の大和朝廷は、各地の有力豪族から天皇の妃を招いていたのですが、丹後からの輿入れは非常に多かったそうです。現に、あの丹後の海部氏の娘、真名井御前も、淳和天皇の妃となっております。

 古代丹後は、天皇の母の地でもあり、その地の女神、豊受大神が、天照大神と同格に、伊勢の地に祭られたのも、うなづけます。

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 さて、今回の旅は、天橋立から、さらに、奥丹後へと進みました。
 宿泊は、8世紀に行基菩薩が開いたという伝説の残る、京都府内最後の温泉地、木津温泉へ。
 天橋立駅から40分ほど電車で西へと向かいます。

 木津温泉のお湯は、さらさらと軽い感じのお湯で、長くゆっくりとつかれます。
 またカニは、本当に、美味しかったです。(12月のカニは格別だといいます^^)

 夜中、ずっと、激しい雪で、時折、大きな雷が落ちていました。
 雪の中の雷を、地元の人は、「雪おこし(雪おろし)」とよぶらしく、雪を呼び覚まし、起こすからだそうです。
 これから、本格的な雪の季節が到来するという時に『雪おこし』はよく落ちるそうです。

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 翌日12月25日、前日以上の大雪の中、木津温泉から、さらに、数駅西に進んで、久美浜駅に着きました。
 
 11月に訪れたお客様から、(なぜか、丹後半島の話題となったのですが)、丹後半島の甲山の話を伺った時以来、やたらと、この地が気にかかり・・・。
 なにせ、真名井御前の故郷の、丹後半島の『甲山』ですから、これは・・・って感じてしまいます。
 かつ、Facebookに、丹後に行きますとコメントをしたら、「丹後半島久美浜の甲山」のことを教えてくださる方がおられ・・・。 そうそう、そこに行きたったのだと、さらに背中を押されるような気配を感じ・・・。

 激しい雪は、辺りを、完全な白の世界に塗り替えていました。
 普通なら、山に登るなどはありえないこと。
 ただ、この久美浜の甲山の中腹には、素敵なレストランとホテルがあると聞いていました。
 そこに電話してみると、クリスマスなのでやっているということで・・・。
 雪国ですから、除雪等の雪対策には慣れておられるのでしょう。

 このレセプションガーデンというカフェです。
 http://www.rg-holidayhome.com/

 地元のタクシーは、少々早すぎる雪の到来に躊躇しながらも、二駆のスノウタイヤで、まるでスキーでも履いているかのように(笑)、するするっと雪の道を駆け抜けていきます。(雪に慣れ親しみきった地元の方ならではの走行です~)
 レセプションガーデンは、本来の山道は木が倒れていて、通行止めとなっていて、他の山道を行ってくれました。なんとか、除雪車もとおっていたようで、いやはや、ほんと、よく行けたと思います。

 到着すると、甲山を背景に、まるで御伽の国のような木の家がたたずみ、中に入るとあたたかく、心地よい、モダンな空間が広がります。
 テーブルには、すでに数組のカップルが座っていました。(実際、この2日間、丹後半島は、カップルだらけでした~!)
 久美浜湾を見下ろすテラスで、お茶やランチをいただきながら、約2時間、過ごしました。
 (夫は、ずっと読書していました~)
 曇っていましたが、時折、雲間に光が射します。
 すると、美しい、久美浜湾の、真っ白な雪景色が姿を現すのです。

 いったい、ここは、どこなのだろう?

 不思議な感覚に誘われます。
 すでに、日本の古い神道の女神はどこかへ遠のき、未来めいた、平和で、透き通った空気が私をつつみます。

 「そこは、レムリアなんですよ・・・」
 と、私に、最初にこの久美浜の甲山へと誘った方の言葉がよみがえってきました・・・。

 レムリアとは、太平洋にあった、超古代の伝説の島の名前・・・。
 でも、ここは日本海^^。
 そうですね。レムリアというのは、時空を超えて、私達の記憶の粒子の中に存在するのだから、日本海にレムリアがあったって、おかしくはない^^。

 まぁ、レムリアとまでは行かずとも、古代の久美浜湾に、海を越えてやってきた人達の、豊かで穏やかな王朝があったのは、間違いないでしょう。実際、このあたりには、多くの遺跡があるわけですし。

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 かつて、この久美浜の地に、原子力発電所が建てられる計画が持ち上がったそうですが、そんなことは、この土地の精霊が許しはしないでしょう。実際に、この地の透き通った風景を見ていると、そこに原発が建てられるなんて、想像すらできません。(しかし、同じく日本海側の、古代聖地の敦賀や若狭の海には原発が何基も・・・。寛大な女神様達が、あきれてしまわなければいいのですが・・・) 脱原発に向かうためにも、新しい代替エネルギーと地域産業の活性化が不可欠。あの地域の電気の恩恵を受けている阪神間の私達も、一緒になって日本海原発銀座の『町おこし』について、考えていかねばならないように思いました。

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 真っ白で、宇宙的な透き通った風景には、なぜか、白山菊理姫様のことも、思い浮かんできます(さらに北の朝鮮の地、白頭山も動き出しているようですし。彼の地にも聖地があり、彼の地にも『夢』があるということなのでしょうか・・・)

 そういえば、私の父方の故郷は丹波(丹後ではなく丹波です。丹後も元々は丹波とよばれていた地域でした)、豊受大神様の故郷に近く、母方の祖父の故郷は、石川県の金沢、白山菊理姫様のご縁の地。。。 なぜか、この地に引き寄せられるのも、わからないでもありません。それは、私のもっともっと古い、魂の源流へと辿る道を開く、いくつかの扉(記号)なのでしょう。


 キラキラの粒子を、いっぱい呼吸して、久美浜湾、甲山をあとにしました。
 次は、春か初夏に訪れたいと思います。




写真① レセプションガーデンの建物
写真② 雪の久美浜湾
写真③ レセプションガーデンから、甲山を見上げて

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by reiko-koyago | 2011-12-28 00:47

エサレン®ボディワーカーでNPO法人タッチケア支援センター代表理事の中川れい子(旧こやごれーこ)の個人ブログです。2003年から、エサレンやソマティクス、ボディワークや癒し、聖地巡礼、社会問題の徒然を気ままに綴り続けています。Soumyaは”月の女神”をあらわす私のホーリーネイム。


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