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『胎生学』の記憶 その1 ー 絨毛膜・羊膜・卵黄嚢 ー

やっと時間ができたので、あらためて胎生学@花脊(2018年11月3~5日)

自分自身の復習のために、ふりかえります~。
長くなったので、これは前編。

去年の11月は、鎌倉で、ジュディ・ウィーバー先生の周産期心理学に参加していました。
今年は、胎生学へ。。。しかも、昔、シャー・ピアス先生の初めての関西ワークショップの会場となった、京都の鞍馬の奥座敷「花脊」の山村都市交流センターで。はじめての、wsのコーディネーター役だったので、思い出のつまる場所です。


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ワークショップのタイトルは、


〝Movement で体験する胎生学
 ~体験するembryology~


って、今頃、私は、送っていただいたリーフレットを読み返して正式なタイトルに気が付いたのですが^^。
尊敬するボディワーカーの藤本靖さんご推薦だし、思い出の花脊だし、胎生学は、ずっと前から興味があったので、直観で「行く!」って決めたのですが、かなり、タイトなスケジュールで、最後の最期までほんとに、私、行けるのかしらん?って心配でした。しかも、少しは予習をしていこうと思いつつも、まったくできず。。。

でも、予習せずに行ったのは、正解だったかもしれません^^。このクラスは、何よりも生命の根源的な神秘を「体験する」ことがテーマ。

リーフレットには、こうあります。
実は、終わってから初めて読んだ!ががーん^^。
まさに、ここに書かれている通りのクラスでした。

「 胎生学は、創造の物語です。この3日間の体験ワークショップでは、胎生学(胚)の発達を知る基本的 な流動過程を探ります。 Movement、探求、イメージング、瞑想を通して、私たちの、本来の Wholenessに触れていきます。私たちのWholenessの深化感覚を養う形状および発生学的力の探求を行 います。この探求は、このシステム内の理解を発見したい人に開かれています。 形成の流れは、人類創 造の一次発火への入り口を開くことでもあります。 我々は、胚の起源に触れることで、生命力の根底に ある力が自分自身を明らかにします」

講師はキャロル・アグニーセンス先生。40年以上のキャリアのある経験豊かで、そして、小柄なお身体の中に生命の神秘に触れたいきいきとした生命力と叡智がはじけるお方。吟遊詩人のように生命の神秘を語るキャロル先生のお言葉は、何もかもブリリアント! 語録集を作りたいぐらいでした!


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そして、このワークショップが、超お得だったのは、行ってみてびっくり。ロルファーの田畑浩良さんと藤本靖さんが、アシスタントとしてご参加で、しかも、コラボレーションの形で、お二人のガイドによるワークがいくつも提供してくださったこと。これは、あけてびっくり玉手箱状態で、1粒で3粒も味わえる美味しすぎるワークショップでした。(このお二人の先生方のワークことは、後編に書きます~)

胎生学(embryology)は、発生学とも呼ばれていますが、embryo とは「胚」。胎生学とは、胚の発生について研究する学問です。ヒトでは、「胚」という言葉は、受精卵が子宮に着床した時から、妊娠後8週目頃までを指し、妊娠8週目を過ぎると胎児と呼ばれます(wiki)

生命の一番始まりの原初。意識が生まれる以前。
細胞分裂を繰り返し、生命5億年の進化をたどり、形が作られていく時期。そこのお勉強だったのです。

エサレンボディワークは、子宮が胎児を包みこむ、やわらかさと、波のようなゆらぎが原点だけど、ここでのお話は、もうちょっと前。胚の段階。なぜ、ボディワークで、ここまで原初な時期を探求しないといけないのかしらん?、、と、ほのかな疑問。。。でも、でも、キャロル先生のお言葉が、とっても、スパークリングだったので、あっというまに引き込まれていきます。

余談ですが、、、私のサロンの名前は最初はRay Lineで、今はamana spaceなのですが、ある時期、数年だけconcepcion(コンセプシオン) という名前だったことがあります。conception(受胎)のスペイン語です。ルルドの泉に出現した聖母マリアの言葉、無原罪の宿りの「宿り(受胎)」に由来します。この「受胎」の瞬間が”いのち”の源泉で、生命の力が凝縮された瞬間だとひらめいたことがあり、そこから名付けたのですが、移転に伴い名前を変更。私にとって思い出深い言葉の1つです。

で、この胎生学。まさに、この受胎(受精から着床まで)からはじまる物語!
意識以前。感覚以前の世界。ただひたすらに「動き」の中で「形」を作っていく生命の神秘の凝縮された時期。
そこに「今・ここ」にいる私達が、そのことに、意識を向けて、感覚を開いていくという不思議。。。

ここで、キャロル先生語録を。

「生命のむこうからやってくる、身体の中の大いなる流れ(flow)に、感覚が開くことができたなら、そのflowは全体性であり、すこやかさである」

「この肉体だけではなく、もっと大いなるものに形づけられていくという感覚」

「胎生学は、大いなる存在へとつながり、時のはじまりを超えるものと、つながっていく」

キャロル先生は、太古から伝わる生命の神秘の詩を歌う、吟遊詩人のようでした。

もちろん、科学的な研究と知識に裏付けされた。。。

詩は、やがて、「動き」と「体感」へとつながります。

「胎内では、ずっとムーブメントがある!」

これは、私にとって、答え合わせのような言葉でした。
エサレンボディワークのトレーニングでは、ムーブメントワークは必須。こころにやさしいタッチケア講座でも、ムーブメントは行います。
その動きは、水の流れや、風の流れ、、、自然界の動き、、、そして、母体の中の胎児が感覚、様々なバイブレーションに由来します。
マッサージを習いにきて、なぜ、ムーブメントワークを??と、思う人も多く、皆さん、不思議そうに、ガイドに従ってくださいます。やってくださるうちに、気持ちよくなる人が多く、はまってくださいますが、なかなか、これは自我が邪魔するワークで、苦戦する方も多い。。。
でも、ごめんなさい、、、これ、絶対必要だから、、、と心を強くしながらでガイドするのですが^^。

なぜ、ムーブメントワークが、ボディワーカーに必要なのか?
それは、タッチの質・かかわりの質を、より有機的に、柔軟なものに育み、生命の自然なゆらぎに寄り添えるようになるために必要であると、私は思っております。自然界の様々な元素、水・空気・風・そして、火、、、リズム、パルスと仲良しになり、自然と共に共振していくこと、、、レゾナンス。あるいは、もっとも身近な自然である、自分自身の呼吸や心拍、内側の様々なゆらぎを感じていくこと。。。

これは、こころにやさしいタッチケア講座でも、皆さんに体験してもらうことですが、受け手の方に、安心して、心地よくタッチを受けとってくださるために、この「ゆらぎ」感との共鳴は、とても大切。

その安心の元型とは、、、子宮の中。胎児、、そして、生命のはじまりである「胚」。

エサレンでは、施術力向上のために、理屈なしに、ムーブメントワークを取り入れられてきましたが、この胎生学のクラスにきて、なるほど~と、膝を打ちました。生命の原初の始まり、いのちを育み、形づくっていくものに、習っていくのです。
それが、movement であり、flow。
これらを総称して、「ゆらぎ」と言っても良いのかもしれません。
(ここで、私にとって、ボディワークに大切な三大原則「呼吸・重力・ゆらぎ」の中の「ゆらぎ」が、ぴたっと柱ができました!)

動きは、全身につたわり、もちろん、脳神経とつながっていきます。身体の連動性、そして、全体性。統合へとつながります。

「脳せき髄液は、光を伝達する」

ううう、、、やっぱりかぁ、、、と。
ここは、もっと食い入りたいところですが、あまりにも深淵な真実のために、今はいったん横に置きます^^。

そして、

絨毛膜との再会。
それは、2日目のことでした。

キャロリン先生は、イスラムの詩人、Lumiの言葉を引用(最近、Lumiが良く出てきます^^)

「私達は、星屑のごとく、「空」から飛び出した星なのだ」 

人間のからだが形作られていくプロセスの中で、形ができる前から、胚から人間のからだへと形創る間、やわらかく守ってくれる、ふかふかで、栄養分たっぷりな海藻のような、胚のベッド。

絨毛膜(じゅうもうまく)
cholion

タッチケア講座でも、胎児が子宮の中で皮膚感覚を通じて、脳神経が刺激を受けて、成育し、母とのかかわりを培っていくことをお話しますが、昨年の秋に開講した「タッチとこころ」8回シリーズでの初回では、このことを、さらに深く掘り下げました。
その時に、解剖学者の三木成夫さんの「海・呼吸・古代形象」という本の序章にある、「海」の章、「母性の進化」で”絨毛膜”のことがとりあげたのですが、、、まさかこのクラスでこれほどに、絨毛膜三昧となるとは、驚きです!

三木先生の本には、こうあります。

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「発生学によれば、この海藻の生えた柔らかい膜は、まさしく胎児の肌であるという(学名chorion;皮膚というギリシャ語に由来。絨毯に似ているところから、絨毛膜と訳す)」 

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これ、ほんとうなのかしらん? これ、書かれたのは昭和41年なので、まだ明らかではないことはいっぱいあったでしょう。とはいえ、とにかく、とても、絨毛膜に、惹かれていました。

私達のいのちのはじまり、胚は、みずからの延長として、自分自身を包む、やわらかなベッドを創り出す(なんたる叡智!)

血液は、絨毛膜の中で産まれ、栄養分に満ち満ちます。

やわらかさ、つつまれるような感覚、そして、どっしりとした血液の質量。

絨毛膜のクオリティを学び、そして、、実際に、ワークを通じて、体験していくのです!

ワークでは、一人の人が横たわり、4人のメンバーで、その人を囲みます。

ちょうどよい、心地よい距離感で、4人は共に、自分自身の心臓の音を感じ、心臓の音で、つながりあいます。(この心拍でつながるって、とても大事。ハートマス研究所のハートの周波数でつながる研究を思い出しました)

そして、4人の人たちが、絨毛膜となって、真ん中の人を包みます。

安心感。グランディング感。平和。安らぎ。

これに似たワークを、うちのクラスでも、時々昔やるのですが、この時も、よく似たことが、さらに、リアリティをもって、感じることができました。

私がこの空間で感じたものは、「時間のない」、「空」のようなフィールド。

自分自身とつながり、回復させる、究極のヒーリングのための非日常空間。(亜空間?)

見えない何かから、回復と癒しを受け取っているかのよう。

他の方は、流れるような、水のような何かを感じた方もおられたり、あまりの安らかさに、涙する方もおられました。
とても、平和で安らかな体験。
このあと、私達は、人に触れるときは、絨毛膜をイメージしながら、かかわっていくイメージを持つようになります。

私は、昨年見つけた、三木成夫さんの本の中にあった「絨毛膜」のイメージが、これほどパワフルなものだったのか?と、興奮してしまいました。

まるで、神様が届けてくれたかのように、感じています。

キャロリン先生は、胎生学の解剖図をもとに、あらたな知識を伝えてくださいました。

卵黄嚢(らんおうのう)
Yolk sac

卵のようなまぁるい玉を、胚子は抱いています。
からだの前側で、まぁるい玉を抱く感覚。

私は宝珠のような球体の「玉」に、とても郷愁と憧れがあるのですが、もしかすると、それは生命が胚子から胎児にかけて抱きしめる栄養分のかたまり、「卵黄嚢」の思い出なのかしらん?と思えてきて、すると、両腕で抱きしめるように感じる、まぁるい玉の感覚が、とても、愛おしくなってきました。

肩・肘・手首の力ぬいて、ハートの中心から伸びる両腕でつくりあげる、おおいなる「玉」。

この動きもまた、人に触れるときに、とても大切な動き。
ああ、やっぱり、大切だったんだ。。。と、ここでも、答え合わせ。

そして、

羊膜(ようまく)
amnion

胎児を、羊水を通じて包み込む、弾性のある膜。
母体の中の様々なバイブレーションが伝わり、「波」をもつ。
ケープのように包み込む、透明で、流れをもつクオリティ。

胎児の皮膚に直接、ふれていき、胎児が自由にゆだねて、動き回れるよう、忠実で、寛容で、柔軟性のある膜

私達の、皮膚感覚の原初の感覚。
胎児の神経をやさしく刺激し、そして、心身の成長を促します。

これを、体験するのに、私達は、キャロル先生がアメリカから持参した弾性のある布の上に、一人一人が、身をゆだね、受け取る方は、ゆっくりと共鳴しながら、感じていきます(日本の大人巻きに、ちょっと似てる感じ)

また、脊髄の後ろ側に、羊膜・羊水をイメージして、ヒーリングワークを行ったり。。。

(このイメージ、私達が、エサレンボディワークで、背面に、やわらかなオイルをつかっての、ロングストロークを行う動きと、少し似ていてうれしくなりました)

羊水は、太古の海と同じ成分だそうです。

私達は、子宮の中で、羊膜のウエイブで、羊水という太古の海の成分で、全身のオイルトリートメントを受けてきたのを想像すると、わくわくしてきちゃいますね^^。

キャロル先生の、ムーブメントでは、このほかに、人間の関節が「∞」の動きを行うことを伝えてくださったのですが、この動きが、また楽しかった^^

肘・手首・肩・股関節・膝・足首・・・・関節を自由自在に動かしていきます。

これも、私は、よくやるワークなのですが、∞の動きという発想は初めてだったので、とても、嬉しい♪

からだが、どんどん、やわらかに、しなやかに動きはじめます。同時に、全身が、全身とつながりあって、連係をとりあい、統合感が増していきました。

ワークショップ、終了後、キャロル先生から、絨毛膜の写真を全員にプレゼントされました。これは、思わず「嬉しい~」と声をあげてしまいました^。

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なんだか、とっても、深い自分自身のいのちの根源のところと、根っこがつながったような気がして、そうすると、他の方とのかかわりも、とても、すずやかで、楽になっていきました。独立しあいながらも、ゆだねられるような。

キャロル先生の軽やかさ、あたたかさ、力強さがとても、心地よかった^^。

こういう学びは、ボディワーカーでなくても、いのちの発生について、みんなが学べば、世の中とても、変わっていくのでしょうね!

タッチケア講座でも、もっと、胎生学の部分を増やしていこう。そのためには、私も、もっと勉強しよう~と思った次第です^^。

この体験を学びに、この冬からのこころにやさしいタッチケア講座、いのちに触れていくことをますます、深めていきたいですね!
12月8&9日は、関西で。1月30&31日は東京であります。
ヴァージョンアップでお届します。http://touchcaresupport.com/
エサレン®ボディワーク等、個人セッションはこちら http://www.amanaspace.com/

さて、まだこれは前編。

次に、藤本靖さん、田畑浩良さんのワークも、ご案内します。これまた、目からうろこでした~。






by reiko-koyago | 2018-11-07 13:38

エサレン®ボディワーカーでNPO法人タッチケア支援センター代表理事の中川れい子(旧こやごれーこ)の個人ブログです。2003年から、エサレンやソマティクス、ボディワークや癒し、聖地巡礼、社会問題の徒然を気ままに綴り続けています。Soumyaは”月の女神”をあらわす私のホーリーネイム。


by reiko-koyago