コロナ徒然② ”なぜ日本は検査抑制策をとったのか?”の推定理由の覚書。
4月8日。今日から緊急事態宣言下での外出自粛が本格化していて、個人が出来ることは粛々と感染リスクを下げる努力を尽くすことだと思うのですが(と共に、自粛に伴う補償問題も注視したい)、思考停止になることは避けたいので、自分自身の頭の中の整理の意味で、どうしても気になっている「なぜ、日本は諸外国に比べて検査数が少ないのか?」という理由について、まだ記憶が新しい段階で、思いつくままに列挙してみたいと思います(これは、なぜ日本は諸外国に比べて緊急事態宣言が出されるのが遅かったのか?と、少し関連するかと思うのですが)。
もちろん、私は専門家ではないので、知識も情報も限られています。一般庶民レベルでの聞きかじりレベルでの情報を、あくまで個人的なブレインストーミングとして整理していることをご了承ください。情報や認識に修正が必要な面もあるかもしれませんので、ご意見があればお気軽にどうぞ(なお、検査というのは、日本でも一般的に知られているPCR検査を指しています)
推定理由その1
東京オリンピックの開催が7月に控えていた手前、陽性感染者「数」が増えることを恐れたから。
(これはおそらく、最大の理由ではないかと思うのですが。このタイミングの不運さは、後の歴史でどのように振りかえられるのか・・・)
推定理由その2
そもそも、日本には検査キット数が不足していて、検査能力そのものが潜在的に低かった。
推定理由その3
検査の際に、検査する人が感染リスクを負ってしまう。それに付随して、検査技師が着用する防護服の不足も問題
推定理由その4
そもそも、日本は遺伝子検査を解析する技術が低い。
(PCR検査は、遺伝子を解析する検査なのですね。もともと日本の医学界は苦手であったという説)
推定理由その5
PCR検査そのものが、偽陰性や偽陽性が出やすいので、やっても仕方がない
(これは、精度の%のデータを示していただきたいところです。8割・9割以上の精度があるのなら、やってみる価値はあったのではないでしょうか?)
推定理由その6
検査してほしい人が殺到して、その場所があらたなクラスター発生源となってしまう。
(これについては、やはり、検査の際は、韓国や諸外国のように、ドライブスルー、ウォークスルー検査の体制が必要となりますね)
推定理由その7
陽性者が大勢、病院に入院すると医療崩壊がおこる。
(この理由が、おそらく、検査に反対される方の最大の理由ではないかと思うのですが。これは、陽性であっても、軽症者・無症状者は、借り上げホテル等で過ごす政策に、今変更しつつありますので、徐々に解決するのでしょう。素朴に考えると、陽性者が何処にいるかがわからないまま市中感染を広げるほうが、潜在的な感染者を増やして、数週間後の医療崩壊につながっていくことになりかねないと思うのですが・・)
推定理由 その8
なんといっても、死者数が少ない。死者数が少ないので、それほど感染していないのだろうと推測。
(これは、日本の医療体制の優れた点だとは思います。日本は感染者数も死者数も少ない、うまく新型コロナウイルスを封じ込めた国であるという国際評価もあるようですが、最近は、他に肺炎で亡くなった方を検査していないので、もしかしたら、新型コロナウイルスの肺炎で亡くなった方の数はもっと多いのでは?という声も出始めていますが。。)
推定理由 その9
そもそも日本人は、衛生観念が高く、手洗いやマスク着用等の意識が浸透しているので、クラスター周辺だけ検査をするだけで、十分だろうという考え。
(衛生観念の高さは、ある程度、日本の特性として評価できると思います。マスクを着ける習慣も、花粉症等から、数年前から浸透していました。が、クラスター対策だけではもはや感染経路が追えなくなったと、クラスター対策班の方が、数日前に敗北宣言をされていたのでが気になるのですが・・・)
推定理由 その10
ただ単に、検査政策を大々的に実行している韓国の真似をしたくない。
(これは、いわゆる嫌韓論者に多いメンタルかもしれません。韓国は、2月24日に緊急事態宣言を発令し、全土にドライブスルー検査や、最近ではウォークスルー検査も広がっています。軽症者の隔離施設は、民間のリゾートホテルを借り上げ、生活治療センターとして運営していて、一定の結果が出て、国際的な評価を受けています。現在は、検査キットの生産も進んでいるとのこと。もうすぐ大統領選挙なので、国民へのアピールもあったかもしれませんが)韓国と日本の検査数の違い、政策の違いはこちらのブログに詳しいです。
推定理由 その11
日本はアジアとのつながり意識が低い。
(中国・武漢で発生した新型コロナウイルスは、香港・台湾・シンガポール・韓国と、、周辺地域に広がっていきましたが、こうした国々は、かつてSARSやMARSの感染拡大も懸念された経験があるので、感染症対策は国策として定着しており、対応が迅速で、かつ具体的でした。が、日本は、その間、オリンピック開催かどうかにばかり意識がいっていた。結果、中国からではなく、世界を一周まわって、ヨーロッパやアメリカの感染拡大が問題化してから、日本での問題意識も本格化した(ちょうど、オリンピック延期が決まった時期と重なりますが)。100年前の「脱亜入欧」の名残も連想します)
推定理由 その12
もともと、日本の政府そのものが、隠蔽・改ざん・統計データを無視するような性質があったので、あえて積極的に検査をしないことで、感染者「数」をごまかす作戦。
(もっともそうであってほしくない理由ですが、時を同じくして、森友問題、財務省文書改竄で自死された元財務相職員、赤木俊夫さんの遺書が公開されて問題が再燃したというのも、根っこのところで、こうした日本政府の体質が繋がりあっていることも暗示されていたり)
推定理由 その13
日本人の多くが「あまり、ものごとを明らかにしたくない」というメンタリティをもっている。
(政府の方針だけではなく、日本人一人一人が、なるべく、自分が陽性か陰性であるかについて、できれば、蓋をしておきたいのでは? 真実(客観的なデータ)を見せようとしない政府と、見ようとしない国民の「蜜月」はいつまで続くのでしょうか・・・)
推定理由 その14
そもそも症状が出てきて検査を望んでも、簡単には検査してもらえないので検査にまで行きつけないし、あきらめてしまう。
(主治医からも、保健所からも、検査をしてもらうまでに導いてもらえない。それに、保健所の受付は人員不足でパンクしてしまっています。結局、かなり時間と労力がかかるため、少々の自覚症状でも家で我慢してじっとしている(熱が出ても4日は自宅待機が、政府の方針ですし)。必死の思いで検査を受けても、根掘り葉掘り個人的なことを聞かれて、もし陽性だったら自分自身は隔離で、仕事は中止、くわえて、接触のあった方々や機関にも迷惑がかかってしまうし、下手すると世間から白い目で見られる。だったら、なるべく、検査せずに、ギリギリまで自力で頑張ろう、、、というのが人情。と、言ってるあいだに、重症化して手遅れになるかもしれないし、その間に、感染を拡大してしまうかもしれないのですが・・・)
推定理由 その15
検査論争が、イデオロギー(政治思想)対立になってしまい、タブーと忖度を生み出した。
(PCR検査ができるのに、なぜやらないのか?と、最初に論争になったのが、テレ朝のモーニングショーの番組内でしたが、そこで「PCR検査神話」として、巨大なバッシング運動が起こり、検査を語ることがタブーのような空気感がおきてしまったようです。同時に、様々な機関で一種の”忖度”が起きてしまったという推論。ざっくりとした私観による図式で恐縮ですが・・・<保守(与党支持)=オリンピック推進派=検査反対論者=科学的データ懐疑主義=歴史修正主義(神国日本・親米・反共・嫌韓)>と<革新(野党支持)=オリンピック懐疑論=検査積極論者=科学的データ重視主義=客観的歴史主義(アジアの中の日本)>という対立を起こしてしまい、国民の命と健康守るという問題の本質をこじらせてしまった・・・)
推定理由 その16
日本人は、すでに集団免疫をもっている!新型コロナウイルスが武漢で発生したのは昨年の11月だと言われていますが、その直後に、すでに日本には到来していて、そのころからすでに日本人は免疫を保有していたという説。
(希望的観測としてはとても嬉しい情報ですが、もうちょっとエビデンスが欲しいところです。免疫検査キットはPCR検査よりも安価で簡単にできるらしいので、これこそ国をあげて検査してみてはどうでしょうか? また、日本人の多くが受けているBCGも効果があったのでは?という説もありますが、さて?)
推定理由 その17
神国日本は守られている!
(幻想であるのは言うまでもありませんが、これは「島国根性」と言い換えても良いのかもしれません。実際、元寇の時は「神風が吹いた」と言われていますが、ようするに、日本が海に囲まれていて、台風の時期であっただけ。ヨーロッパやアメリカにも伝播してるのですから、島国であることは、今回のウイルスにはあまり関係はありません。ノーベル医学賞・生理学賞の、京都大学IPS細胞研究所の山中伸弥教授がおっしゃるように「日本だけが特別だとは思えない」というのが、科学的な姿勢というものでしょう)
以上、思いつくままに、17、挙げてみました。
まだまだ、他にもあるかもしれませんので、ご意見やご感想も大歓迎です。
まぁ、今更、検査しても間に合わないし(医療や福祉現場だけでも、今からでも検査していただきたとは思いますが)、過ぎ去ったことを悔やんでも仕方がないし、現場は現場で一生懸命やってるので、批判しても邪魔なだけという考え方もありますが、感染問題はこれからも到来するかもしれませんので、「批判すること」を批判するという思考停止に陥らないためにも、今のこの時期、思い出せなくなってしまう前に、書き留めてみました。 2020年 4月8日 中川れい子
写真は、明治神宮、北側の池。

エサレン®ボディワーカー、amana space &NPO法人タッチケア支援センター代表の中川れい子(旧:こやごれーこ)メッセージブログです。お問い合わせは mail@amanaspace.com 。 HP http://www.amanaspace.com/ http://touchcaresupport.com/
by reiko-koyago
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