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レイライン通信 - Soumya 中川れい子の日々を伝えるblog rayline.exblog.jp

エサレン®ボディワーカーでNPO法人タッチケア支援センター代表理事の中川れい子(旧こやごれーこ)の個人ブログです。2003年から、癒しのことを、旅のこと、聖地巡礼、社会問題の徒然を気ままに綴り続けたブログ。


by reiko-koyago
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初盆の“熊野の旅”

主人のお母さまが3月にご他界されたので、今年のお盆は初盆でした。
とても優しい方で、もっと、ご一緒したかったとしみじみ思います。
去年の夏は、主人の京都の実家で、お義母さんと、主人と私と息子のジョナと4人で暮しました。
それが、いまとなっては、大切な思い出です。
お義母さんは、もう、ご自身の寿命を悟っておられたようでした。
短い間でしたが、最後にお世話ができて、いい思い出をくださったことが、
私への最大の贈り物だったように感じます。

この夏も、ジョナが帰国していたので、13日には3人でお墓参り。
父親の陰謀で、なぜかジョナは般若心経を暗唱できちゃうのですが、
おばあちゃんの墓前で唱えて、泣いてました。

14日から16日には、旦那が一度熊野に行ってみたいというので、
3人で熊野詣での旅に行ってきました。

熊野に行くのは、5年ぶりぐらいでしょうか?
いっとき、なんども、熊野に足を運んでいたのですが、今回は、久しぶりの熊野・・・。
これまでは、誰かが車に乗せて連れて行ってくれたのですが、今回は、電車の旅だったので、
乗継にいろいろと工夫がいりましたが、電車やバス、船も使っての、なかなか、楽しい旅となりました。
うまく熊野三山も巡れたいいコースだったので、ちょっと長いですが、ご紹介したいと思います。



朝、JR特急スーパーくろしおに新大阪から乗って12時半ごろに白浜へ。
白浜駅には、本日宿泊する渡良瀬温泉ホテルやまゆりのお迎えのバスが来ていました。
白浜から熊野本宮近くの渡良瀬温泉までバスで約1時間。
昼すぎにチェックインして、そこから、本宮まで車で送ってもらいました。

少しだけ、熊野古道を歩いてみたいのでお願いしたら、
30分、1時間、2時間コースと、いろいろあったのですが、今回は30分コースに。
三軒茶屋跡までおくっていただき、そこからスタート。
木漏れ火のそそぐ森の中、ゆるやかな石畳をくだって祓所王子を経て熊野本宮大社の裏側に出ました。
そこで、熊野本宮大社を参拝。
ジョナは熊野のヤタガラスがJリーグのキャラクターなので親近感を感じたようです^^。

そこから歩いてすぐの熊野本宮の旧社地である大斎原(おおゆのはら)へ。
何年か前に大鳥居(日本一だそうです)が建ってわかりやすくなりましたが、
私が初めて熊野にいったときにはまだ大鳥居はなく、見落としてしまいそうな場所です。

蟻の熊野詣といわれた天皇貴族庶民にいたるまでの熊野三山詣での中心寺院である
熊野本宮大社は、もともと熊野川中洲であるこの大斎原にありました。
明治22年、1889年に大洪水がおこり流され、少し高台である現在の社殿に移されたそうです。

1000年近くも信仰の対象だった熊野本宮の社殿が洪水のためとはいえ移築されたとは、
なにやら意味ありげなことだと感じてしまい、年表で1889年になにがあったのか調べてみますと、
大日本帝国憲法発布の年であることがわかります。
近代国家として日本が新しいスタートをきった年であると同時に、
その憲法には天皇の大権と中央集権制の色彩の濃厚な旧明治憲法の公布・・
その後の日清、日露、日中戦争から太平洋戦争へと、軍国主義の歩みが暗示される
熊野本宮大洪水事件だったのではないかとふと想像してしまいます。。。

アマテラスオオミカミを祭る伊勢神宮に対して、
その弟であるスサノオノミコトを祭るの熊野の本宮大社・・・。
太陽神であり高天原を統べる姉のアマテラスに対し
この地上であり大海原である中津国、すなわち地球を統べるスサノオ。。。

現在の熊野本宮大社社殿では、スサノオ、アマテラス、そして、その両親である
イザナギ、イザナミノミコトが祭られています。





さて、この大斎原のすぐそばに、熊野川が流れています。
ここの中洲は、熊野川、音無川、岩田川の三つの川が合流するところ・・・。

大斎原の横の、熊野川の河原は、私の大好きなスポットのひとつなので、
熊野本宮に来たら必ず寄るようにしています。

日本古来の神道は、自然崇拝で、すべての存在にスピリットが宿るという
ア二ミズムに寄ると思うのですが、熊野に来るとそれが如実に実感できます。

熊野本宮もまた、この大自然の神々が顕現したものであると感じずにられません。
どこまでも続く山々、森の木々の深さ、そして、
この翡翠色に輝き澄み渡る熊野川・・・。

かつで神武天皇が大和へと進む道すがら、導き手であるヤタガラスと出会ったのは、
ここではないのかしらと、想像をめぐらしてしまう、この熊野川の河原。。。
澄み切った空気は、時間がとまったように感じさせられます。
まさに過去と未来が交差し、閃光のような「いま」が立ち上がるゼロ空間・・・。

川に足をつけていると、全身が澄み渡り、暑さも疲れも吹き飛びます。
空にはトンビやワタリガラスが飛んでいます。
ここでは、じっくり、空間を感じながら、瞑想したいところ・・・。

でも、17歳のジョナは、無心に川で石投げをして遊んでいます。
瞑想なんて、17歳の少年には野暮なこと^^。
まるで石を投げいりながら、川と対話をしているようにも見えてきます。


あっというまに1時間がたちました。


5時すぎにホテルやまゆりに電話したら迎えにきてくれました。
ここのホテルは送迎があるので、私たち電車での旅人にはラッキーです。
ホテルにもどってからは、西日本最大の露天風呂にはいって疲れを癒し、
夕飯を食べて、はやめに寝ました。




二日目は、ホテルをあとにし、バスに乗って、
熊野川川舟下りセンターへ・・・。

今日は、熊野本宮から新宮速玉大社へ・・・。
昔ながらの川下りの方法で移動します。

この熊野川の、川舟下りは
熊野が世界遺産に登録された年の翌年の
いまから4年前にスタートしたそうです。
だから、以前私が熊野にきたときは、まだなかったそうです。

ゆったりとした流れの熊野川を、川舟で下っていきます。
台風のあとなので、川の色が少々濁っていて、
いつものエメラルドグリーン色ではなかったですが、
それでも、なかなかの美しい光景でした。

この熊野川は熊野の聖なるスピリットの象徴のひとつなのでしょう。
いままでにない、自然との一体感を感じる体験でした。

川舟で約1時間。
熊野川の河口へ。。。
もう少しすすめば、もう、そこは太平洋・・・

熊野の新宮の町です。
熊野川の河口もまた、私の大好きなスポットのひとつ。。。
かつて大阪から大和に入ることができなかった神武天皇が
船で迂回して入ってきた神話の聖地です。

川舟を降りると、迎えのマイクロバスがきていて、
数分で熊野新宮速玉大社へ・・。

最近、ここには川原町横丁というお店やさんができていて、
ここで、めはリ寿司とさんま寿司で、軽く昼食。
お店の方にお願いして、荷物を預かっていただき、
すぐそばの熊野新宮速玉大社へ。。。

新宮というだけあって、ここは独特のすがすがしさのある大社です。
なぎの大木がご神木として、そびえます。

さらにそこから歩いて15分から20分。。。
本日のメインイベントの神倉神社へ・・・。
大きな巨石、ことびき岩という磐坐が御神体の古い古い神社です。
伝説よると熊野の神々はまず、このことびき岩に降臨したそうで、
岩の上ではお参りしにくいので、山を降りて河原付近に建てられたのが
いまの新宮大社だそうです。
新宮というのは本宮に対する新宮ではなく、
この神倉神社に対する新宮なのです。

さて、この神倉神社。
見上げるとくらくらしそうな538段の石段がそびえます。
非常に古い石段で、なかなか登り辛いのですが、
神様に逢うためなら、なんのその・・・。
根性で登ります。
17歳のジョナは走って登ってしまいましたが、
私たち夫婦は、ゆっくりのんびり上がります。

のぼりきると、見上げるような御神体の巨石、ことびき岩。
そして、見下ろすと、熊野川河口と青い太平洋、そして新宮の街・・・。
見上げても見降ろしても絶景が広がります。

海、空、川、そして山・・・。
この大いなる巨石は、熊野の大自然が悠々とみわたせ、
そして融合する神々の座するところ・・・。

神倉神社にくると、古代の日本神道がいかに自然と一体となっていたのかが、
とても、よくわかります。

私は、ここから見下ろす熊野川河口の風景がとても好きです。
この、太平洋の大海原に続く新宮の地が、
何千年ものあいだ、黒潮にのって海を越えて訪れる人たちを受け入れてきた
開かれた地であったのが、ここからの光景を見ていると
とても理解できるからです。

実際、この地には、神武天皇上陸の伝説より以前にも、
秦の始皇帝に命ぜられて不老長寿の薬をもとめて
日本に大移住してやってきた、中国の徐福の伝説も残っています。

ロッククライミングにこっているジョナは、
このことびき岩をみたら、登りたくなるようで・・・。
でも、神様に叱られるからと断念^^。

私もジョナに勧められて、最近、神戸のボーダリング(室内でのクライミング)の
クラスに通いはじめました。
なかなか、面白いです^^。
(いつか、岩登りもやってみたい)

ふたたび川原町横丁にもどり荷物をもって、タクシーをよんでもらい、
JR新宮駅へ(今回、タクシーをつかったのは、このときだけでした)

JR普通電車で紀伊勝浦駅へ。
今日のお泊りは、洞窟温泉で有名なホテル浦島・・・
紀伊勝浦駅から歩いてすぐの桟橋から船にのってホテルへ・・

でも、ここは、あまりにも、マンモスホテルで
ちょっと人酔いです。
そのぶん、お値段はお盆料金なのにとてもリーズナブルでした。

なんか都会の百貨店のバーゲンセールにきたみたいで、
あまり落ち着かなかったのですが、お部屋からは海がきれいにみえてくつろげました。

それに、なんと、大きな卓球ルームがあったのです!

映画「ピンポン」を、高校の日本語クラスの先生に見せてもらったそうで、
それいらい、ジョナは卓球が大好き・・・。
来年高校卒業までに、学校に卓球クラブをつくってのこしたいと燃えていました。

日本にきたらぜひ「温泉卓球」を楽しませてあげたいと思って、
このレジャーセンターのようなホテルを選んだのですが、
みごとピンポン♪ ありました~
卓球ルーム♪
テーブルは3台。窓からは、太平洋が広がっているぜ~~~

その日は予約いっぱいだったので、翌日の朝に卓球を楽しむことに。
その日は、温泉はいって、ご飯たべて、早々に就寝。



というわけで、三日目の朝は、ホテルでは大卓球大会♪
相手がいないとできないので、ジョナのお相手は、まず旦那が・・・。
旦那必死にがんばってましたが、17歳との卓球ラリーはやはりハード・・・
途中私もかわって相手しましたが、うん、意外とやれちゃう^^。
面白いです~  卓球 ♪♪♪


大卓球大会も終わり、ホテルをあとにし、紀伊勝浦の駅へ。
駅のコインロッカーで荷物をあずけて、バスにのり
最終日のメインイベント、熊野三山のひとつ那智大社のある那智の滝へ・・・。

那智の滝には、何度もきてますが、
なんど来ても、素晴らしい・・・。
紀伊勝浦駅から那智駅を経てから、
バスはどんどん山の中へと入っていきます。
すぅっと聖地らしさが漂ってきたあたりから、
はたと現れる那智の滝。
バスは滝前でおりて、那智大社の本尊である
那智飛瀧神社に参拝。
そこから、那智の滝の滝壺あたりまで近づくことができます。

私はいぜんこの滝に向き合ったときに、
白い観音様を感じたことがありましたが、
ある人いわく、それは、昇華したイザナミノミコトだそうで・・・。

新宮速玉大社が、スサノオの父であるイザナギならば、
ここ那智大社は、母のイザナミの聖地・・・。

今日は8月16日、送り盆の日。。。
主人のお母さまの初盆の送り盆の日に
ここにお参りするのは、とてもふさわしいような気がしました。

滝にちかづくと、すずやかな飛沫がはじきとび、
心もからだも、洗われていくのを感じます。





さて、この滝よりも上にあがったところに、
那智大社と、その神仏習合寺院である青岸渡寺がありますが、
そこにはお参りせず、古代の熊野の古道のひとつである
大門坂を下ることに・・・。
木漏れ日の中、苔むした石段を降りていきます。。。

時間の関係で最後までは降りきらず、
バス停熊野古道でバスに乗ることに・・・。

そこから、JR那智駅へと向かいそこで下車。
(バスは、紀伊勝浦から那智大社まで往復1000円で乗り放題です)

目指すは那智海岸。
夏の旅の最後を飾るのは、やっぱり海水浴でしょう~~~。

太平洋の青く澄んだ海が、那智駅のすぐ前に広がります。
海の家もあり、シャワーも完備。
人もそれほど多くない、快適な白い砂浜のビーチです。。。

まずそこの海の家で軽く腹ごしらえしてから、
いざ、海へ!
海水浴なんて、ほんと、久し振りです!
水球クラブに所属する水好きのジョナも大喜び。
旦那も、スイミングクラブで鍛えた水泳の腕前を
息子と競えて楽しそうでした。

この那智海岸は、昔、補陀洛渡海浄土といって、
僧侶が、海の向こうの補陀洛浄土を目指して
一人で小さな船に乗りどんどん沖へと渡っていったという
慣習があったところだそうです。
近くには補陀洛寺があり、那智大社へと続く道の入り口にあります。
いくつもある仏の浄土のうち、
南方の海上にある観音菩薩の浄土のことを「補陀洛」とよんだそうです。

この海の向こうには浄土がある・・・。
そう感じた古代人の思いと重なりあい、
今日の送り盆の日を、なきお義母さまの
精霊流しをこの海岸でおこなえたような気がします。

(そんなことを感じていたのは、私だけで、
あとの二人は海水浴と砂遊びに興じておりましたが^^)

2時間ほどビーチで楽しんだでしょうか。。。
仕上げに、やはり那智駅前にある、丹敷の湯という公営温泉場で
軽くひと風呂あびて、
それから、同じ路線のバスが来たので飛び乗って
JR紀伊勝浦駅へ・・・。

お土産とお弁当を買って、コインロッカーの荷物を取り出して、
午後4時5分のJR特急スーパーくろしおに乗って大阪に戻ったのでありました。





はじめての電車での熊野の旅。
意外と快適でした^^。
お盆は、交通渋滞が激しいので、こういうのも、いいもんですね♪



山あり、森あり、木々あり、川あり、鳥のさえずり、温泉
風、太陽に、巨石に滝に海・・・。

熊野の神々は、熊野の自然に宿るのを
あらためて感じながら、
古代の人々も、
こうした自然の息吹と身を溶かすように触れ合って
生命力の回復を願ったのを思いました。



今回は、私の大好きな「花の窟」や「玉置神社」には、
足を延ばせませんでしたが、
熊野三山をしっかりとまわれた、
なきお義母さまのお弔いの熊野詣となったような気がします。

浄土で、永遠の魂となって、
やさしい笑顔で私たちを見守ってくださっていると、感じます。。。。



合掌
by reiko-koyago | 2009-08-20 17:10